
アコースティックギターの王道ブランドとして、初心者からプロまで広く馴染みのある「Morris(モーリス)」。今回は、私が愛用しているドレッドノート・タイプのアコギ「Morris MD201N」について、購入の経緯からサウンドの特徴、そして宅録(DTM)での具体的な音作りまで詳しくレビューします。
購入のきっかけ:キラキラした現代的な音よりも、耳に馴染む「あの音」
楽器店でこのMD201Nを購入する際、実はもう一本別の国産アコースティックギターと比較していました。
もう一方のギターは高域が非常にきらびやかで、いわゆる「現代的で綺麗な音」が特徴でした。しかし、私の耳には少々綺麗すぎる印象を受けました。
一方で、このMorris MD201Nを鳴らした瞬間、「これぞアコギの原点」と感じるような、昔から聴き馴染みのある温かいサウンドが響いたのです。そのどこか泥臭くも懐かしい音色に一目惚れし、即決で購入を決めました。

Morris MD201Nのサウンド特性
1. 中低域の深みとサスティン
本機のサウンドを一言で表すなら、「芯のある、しっかりとした骨太な音」です。サスティン・ポイントが高く、音が心地よく伸びてくれます。
私はこのギターを「一音下げチューニング(全弦を1音下げた状態)」メインで使用しています。ドレッドノートというボディの大きさも相まって、一音下げにすることで中低域の成分がより豊かになり、生音で演奏した際の深みは群を抜いています。
2. プレイスタイルによる音量・ニュアンスの変化
音量感については、プレイスタイルによって二つの顔を見せてくれます。
- 指弾き(フィンガーピッキング)の場合:耳障りの良い、優しく適度なボリューム感で鳴ってくれます。
- ピックでのコードストロークの場合:ボディ全体が共鳴し、かなり大きな音量が出ます。この圧倒的な音の飛び感は、アコギ一本でのストリートライブ(街頭演奏)などにもピッタリだと感じます。
MD201Nのアコギとリズムだけですが、もしよければ。 ※音量ご注意
【実戦向け】宅録・DTMにおけるMD201Nの音作り
ドレッドノート・タイプで中低域がしっかり出るMD201Nは、そのまま生音をマイクで録音すると、低音が膨らみすぎて(ブーミーになって)ミックスを圧迫してしまうことがあります。
しかし、適切なエディットを施すことで、アンサンブルの中で抜群の存在感を発揮する「味のある音」に化けます。私がいつも行っている、具体的な録音・編集時のアプローチをご紹介します。
具体的なプラグイン設定(一例)
中低域の余分な溜まりをすっきりさせ、高域の抜けを足してコンプレッサーで音粒を揃えるのが基本のセッティングです。
- EQ(イコライザー):
- Low:180Hz付近を「-18.0dB」でざっくりと大胆にカット(低域のブーミーさを解消)
- High:10000Hz(10kHz)付近を「1.0dB」ほど軽くブースト(抜けの良さと空気感をプラス)
- Compressor(コンプレッサー):全体の音粒を均一に整えることで、ストロークのまとまりがバッチリ良くなります。
- Reverb(リバーブ):MIX 20% 程度(アコギ本来の鳴りを活かしつつ、自然な空間の広がりを演出)
この補正を行うことで、MD201Nの持つ「太さ」という芯を残したまま、現代のポップスやロックのオケにも馴染む、非常に抜けの良いパフォーマンスを発揮してくれます。この音ができると、いつまでもずっと弾いていたくなります。

強いて挙げる弱点と、その克服法
非常に満足度の高いギターですが、強いて弱点を挙げるなら、「細いゲージ(ライトゲージ以下)の弦を張ると、若干チューニングが不安定になる気がする」という点です。これは個体差や私の好みの影響もあるかもしれません。
しかし、この弱点は「太いゲージ(ミディアムゲージなど)の弦を張る」ことで簡単に解消できました。むしろ、このギターの持つ「男気の強いタフな特性」を活かす意味でも、太い弦でガシガシと鳴らす方が、楽器本来のポテンシャルを引き出せると感じています。
まとめ:繊細な方向性へのアプローチも
Morris MD201Nの特徴をまとめると、以下の3点に尽きます。
- しっかりとした力強い低域
- 存在感のある太い音色
- ストリートでも負けないバッチリな音量
曲の雰囲気にこの男勝りな特性がカチッとハマった瞬間、最高のギターパフォーマンスを魅せてくれます。
最近では、この「太く力強い」というイメージだけに縛られず、あえて指弾きで繊細なニュアンスを表現するような、新しい方向性の模索と開拓も楽しんでいます。一本持っておけば、初心者からベテランまで間違いなく満足できる、私の大切な相棒です。