このところ、DTMでボーカルやアコースティックギターを録音した音を聴いたときに、味気ないような感じがして、ダイナミクス感のある生の音との違いが気になっていました。
以前はオーディオインターフェースにマイクを直接挿して録音していたのですが、マイクプリアンプを通すことで、もしかすると生の音に近い状態で録音できるのではないかと思ってきました。
そんな時に出会ったのが、FMR Audioのマイクプリアンプ「RNP8380(Really Nice Preamp)」です。実際にRNP8380を使ってみた生の音質インプレッションや魅力、注意点について、素直な感想を交えつつお伝えしていきたいと思います。
RNP8380を選び、導入したきっかけ
購入の際にマイクプリアンプについて、いろいろ調べていてわかったことのひとつが、価格の幅のひろさです。正直なところプロスタジオに置いてあるような数十万円クラスのマイクプリはなかなか購入候補に入れられませんでした。
そんななかで手に届く価格で、音質アップの期待ができる本格的なマイクプリを探してネットや口コミをみたところ目にとまったのが、このRNP8380でした。
1/3ラックというデスクに置きやすいコンパクトなサイズ感でありながら、中身はクラスA回路を採用していて本格的。この価格帯でハイエンド機に迫るクオリティを目指して作られたという背景を知って決めました。
コンパクトな見た目とは裏腹に、プロの現場でも評価されているという点も決心したもうひとつのポイントでした。
音を出してみて感動したこと(ボーカル・アコギ)
早速、音を鳴らしてみたところ、今まで聴いていた音とは別物のクリアさと立体感に感動しました。マイクを繋いで、DAWに録音して真っ先に感じたのは「音の聴きごたえとリアリティ」そして「音の透明感と立ち上がりの早さ」でした。
1. アコースティックギター:弦の繊細な鳴りと立体感
アコギのストロークやアルペジオを録音してみたところ、オーディオインターフェース直結の時のような「こもり感」も消え去りました。
ピッキングした瞬間の弦のニュアンスや、ボディの中で響く空気感までそのまま素直に捉えてくれる感覚です。ハイエンドからローエンドまで変な癖がなく伸びてくれるので、ミックスでイコライザー(EQ)を無理にかけなくても、トラックの中で自然と音が前に出てくるようになりました。
2. ボーカル:息づかいまで見えるようなクリアさ
ボーカル録音でもその実力を感じました。
声の雑味がすっきりと整理され、歌い手の息づかいや微細なニュアンスがダイレクトに立ち上がってきます。「原音をありのままに捉える」という言葉がぴったりで、妙な色付け(味付け)をしない分、マイク本来の持ち味を100%引き出してくれていると思いました。
実際に使ってわかった「痒いところに手が届く」工夫
RNP8380は音質だけでなく、実用面の設計もしっかり考えられていると思います。使ってみて特に「便利だな」と思ったポイントをいくつか挙げてみます。
ゆっくり立ち上がる48Vファントム電源
コンデンサーマイクを使う際に48Vファンタム電源を入れるのですが、RNP8380は電源が「ゆっくり」供給される設計になっています。大切なマイクに急激な負荷をかけない仕様になっていると知り、高価なマイクを繋ぐときも安心感がありました。
Grayhill製のステップ式ゲインコントロール
ゲイン調整ノブが12ポジションのクリック感があるタイプ(ステップゲイン)になっています。ツマミを回した時の手応えが心地よく、左右のチャンネルで全く同じゲイン設定に合わせやすいのもステレオ録音時にとてもありがたいと思います。
同社コンプレッサー(RNC1773)との相性の良さ
背面にはインサート端子が用意されていて、定番コンプレッサーの「RNC1773」などをTRSケーブル1本で簡単に接続できます。
マイクプリで綺麗に増幅した音をそのままハードウェアコンプに通して録音できるシステムがデスク上にコンパクトに収まるのは、宅録環境において大きなアドバンテージだと実感しています。
気になる点や注意したいポイント
実際に使ってみて大満足しているRNP8380ですが、購入前に知っておいた方が良い点も少しありました。
- 本体がそれなりに熱を持つ
クラスA回路でしっかり駆動しているためか、長時間の使用時には本体底面を中心にじんわりと熱を持ちます。狭い場所に密閉して置くよりは、少し通気性の良い場所に設置してあげると安心だと思います。 - つまみのステップ間隔
ゲイン調整がステップ式で1ステップごとの変化幅が少し大きめ(6dB刻みなど)なので、細かい音量微調整は後段の機器やDAW側で行う設計になっています。最初は少し慣れが必要かもしれません。
まとめ:宅録の音質をワンランクアップ
FMR AudioのRNP8380を導入してみて、今まで「プラグインやEQでなんとかしよう」ともがいていたことが、入口(マイクプリ)を変えるだけで一気に解消したように感じました。
原音に忠実で扱いやすいクリアなサウンドは、ボーカルや生楽器を宅録するプライベートスタジオにとって、間違いなく強い味方になってくれます。
「そろそろオーディオインターフェースの内蔵プリからステップアップしたいけれど、何を選べばいいか分からない…」と悩んでいる方には、ぜひ一度試してみてほしい名機だと思います。
みなさんは宅録でのマイクプリ選びで、どんな点を一番重視していますか?「こんな使い方をしているよ」「おすすめの組み合わせがある」などがあれば、ぜひコメント欄で教えていただけると嬉しいです。
そして、個人的にRNP8380との相性もいいと思うRODE NT2-Aコンデンサーマイクのレビューです。もしよかったら下記の記事もご覧ください。
この記事やコメントがみなさんのクリエイトライフをさらに楽しく、さらに充実することにつながると嬉しいです。最後までご覧いただきありがとうございました。



