DTMで曲を作っていると、「完成した曲を聴いてもらいたい」と思いますよね。でも、せっかく時間をかけて作った曲も、完成した状態だけでは「どんなふうに作ったのか」までは伝わりません。
そこで最近面白いと感じているのが、楽曲の制作過程そのものを動画にして発信する方法です。
私自身も、DTMで曲を作るようになってから、完成した音源だけではなく、「どうやってこの音になったのか」という制作の裏側を見せるのも面白いのではないかと思うようになりました。
特にDTM初心者の場合、完成した曲をいきなり発信することにハードルを感じることもあると思います。そんなときは、まず「今日はこんな音を作ってみた」という小さな制作記録から始めてみるのもおすすめです。
なぜ「制作過程」を見せると面白いの?
完成した曲には、完成した曲ならではの魅力があります。一方で、制作途中には別の面白さがあります。
例えば、
- 最初はシンプルだった曲に少しずつ音が加わっていく
- エフェクトをかける前と後で音が変化する
- 迷いながら音色を選んでいる
- ボーカルや楽器を重ねることで曲の雰囲気が変わっていく
- 最後には最初とまったく違う曲になっている
こうした変化を見ると、「この曲はこうやってできたんだ」と完成曲とは違った楽しみ方ができます。
DTMをやっている人にとっては制作の参考になりますし、これからDTMを始めたい人にとっては「自分もやってみたい」というきっかけにもなるかもしれません。

DTM初心者でもできる制作過程動画3選
「制作過程を動画にするといっても、何を撮ればいいの?」そんな場合は、まず次の3つから始めてみると簡単です。
1.音が少しずつ重なっていく動画
一番分かりやすいのが、DAWの画面を録画する方法です。
例えば、ドラム → ベース → ギター → シンセサイザー → ボーカル
というように、音が一つずつ加わっていく様子を見せます。最初は何もない状態だった画面にトラックが増えていき、最後には一つの曲になる。この「音楽が組み上がっていく過程」そのものが、動画の見どころになります。
すべての制作工程を長時間見せる必要はありません。30秒程度にまとめて、「最初はこんな感じだった曲が、最後にはこうなりました」という動画にするだけでも十分です。
2.音のビフォー・アフターを見せる
DTMならではの発信としておすすめなのが、エフェクトを使う前と後の比較です。例えば、「EQをかける前と後」「リバーブをかける前と後」「コンプレッサーをかける前と後」などです。
音の変化が分かりやすいものなら、短い動画でも内容が伝わります。
「この音、何となく物足りないな」→「EQを調整してみる」→「こんな音になりました」という流れにするだけでも、ひとつのコンテンツになります。DTM初心者にとっても、「エフェクトを使うとこんなに変わるんだ」と知るきっかけになります。
3.「○分で作ってみた」チャレンジ
もうひとつは、時間制限を設けて曲を作る方法です。
例えば、「10分でドラムトラックを作ってみる」「30分で1コーラス作ってみる」「普段使わない音源だけで曲を作ってみる」など。
完成度だけを競うのではなく、限られた時間の中でどんなアイデアが出てくるのかを見る企画です。制作している本人にとっても、普段とは違う作り方を試すきっかけになります。
完成曲だけを発信しなくてもいい
音楽を発信するとき、「完成した作品を投稿しなければ」と考えてしまうことがあります。もちろん、完成曲を聴いてもらうことは大切です。でも、制作途中だからこそ伝えられることもあります。
例えば、「この音色に決めるまで迷いました」「最初はこのコード進行でした」「この部分だけ何度も作り直しました」「このエフェクトを使ったら雰囲気が変わりました」など。
こうした情報は、完成した音源だけでは分かりません。そして、作り手にとっては当たり前の作業でも、DTMを始めたばかりの人には新鮮に感じられることがあります。
高価な機材がなくても始められる
制作過程を動画にするために、最初から高価なカメラや機材を購入する必要はありません。まずは、今持っているパソコンやスマートフォンを使ってみましょう。
PC画面を録画する
DAWの操作を見せたいなら、パソコン画面を録画します。無料で使える「OBS Studio」などの画面録画ソフトを利用すれば、DAWの制作画面を動画にできます。
最初から完璧な映像を作ろうとせず、「DAWの画面が見える」「音が聞こえる」という最低限の状態から始めれば十分です。
手元をスマートフォンで撮影する
楽器を演奏しているところを見せたい場合は、スマートフォンで手元を撮影する方法もあります。
例えば、
- MIDIキーボードを弾いているところ
- ギターを録音しているところ
- パッドを叩いているところ
- 歌を録音しているところ
などです。スマートフォンを固定するだけでも、制作の雰囲気は伝わります。

「上手に見せる」より「変化を見せる」
制作過程を発信するときに意識したいのが、すごい技術を見せなければいけないわけではないということです。DTM初心者なら、初心者だからこそ見せられるものがあります。
例えば、「初めてこのプラグインを使ってみた」「この音色とこの音色、どちらが合うか試してみた」「ベースを入れたら曲がどう変わる?」というような内容です。
結果だけではなく、試す前と試した後の変化を見せる。これだけでも、立派な制作コンテンツになります。
制作過程を残しておくと、自分の成長記録にもなる
制作動画には、もうひとつ良いところがあります。それは、自分自身の成長記録になることです。
最初に作った曲と、半年後に作った曲を比べてみる。以前は難しかった操作が、いつの間にか簡単にできるようになっている。昔は選ばなかった音色を使うようになっている。
こうした変化は、制作を続けている本人だからこそ気づけるものです。「発信するための動画」と考えるだけではなく、「自分の制作記録」として残しておくのも面白いと思います。
DTM初心者が最初に作るなら、この動画がおすすめ
「それでも何を撮ればいいか分からない」という場合は、次のような短い動画から始めてみてください。
テーマ:1つの音が曲になるまで
- 何も音がない状態を映す
- ドラムを入れる
- ベースを入れる
- メロディを入れる
- エフェクトを調整する
- 最後に完成した部分を聴かせる
これだけでも、「音が増えて曲になっていく」という制作過程を見せることができます。長い動画を作る必要もありません。まずは短い動画で試してみて、「どんなところを見てもらえると面白いのか」を考えていけばいいと思います。

完成した曲だけでなく、作っている時間もコンテンツになる
音楽制作は、一人でパソコンや楽器に向かって黙々と作業する時間が多いものです。だからこそ、その過程を少しだけ外に出してみると、同じように音楽を作っている人とつながるきっかけになるかもしれません。
「この音いいですね」「何のプラグインを使っていますか?」「自分も同じような作り方をしています」そんな反応があれば、制作を続ける励みにもなります。
もちろん、すべてを公開する必要はありません。公開したくない制作途中の部分は、自分だけのものにしておいてもいいでしょう。
大切なのは、完璧な作品を作ってから発信しなければならないと思い込まないことです。
「今日はこんな音を試してみた」「この曲が少しずつ形になってきた」そんな小さな制作記録から始めてみる。
完成曲だけでは伝わらない、音楽を作る楽しさそのものを発信してみるのも、DTMの新しい楽しみ方のひとつだと思います。
もし、自分の曲だけに限らず、いろいろな曲にチャレンジして、その歌や演奏を動画にしようとお考えなら、下記の記事も参考にご覧ください。
この記事が、みなさんの音楽ライフをさらに楽しく、充実につながるきっかけになれば嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました



