偉大なプロも設定していた♪演じることで逆境を突破「ペルソナ(別人格)」手法から生み出す名曲と名演

メンタルヘルス

プロたちが実践してきた「ペルソナ(別人格)」の魔法は、決して選ばれた天才だけのものではありません。日々の練習や曲作りに行き詰まりを感じたとき、誰でもすぐに試すことができるアプローチです。

4. 楽器演奏や曲作りにペルソナを取り入れる実践ステップ

ここでは、あなたの中に眠る新しい感性を引き出すための具体的な3つのステップをご紹介します。

ステップ1:架空のプレイヤーの「裏設定」を作り込む

まずは、あなたが演じるキャラクターのプロフィールをノートに書き出してみましょう。

  • 出身地や性格: 「ロンドン出身の無口なパンクロッカー」「宇宙から来た陽気なファンクマスター」など。
  • 音楽のルーツ: どんな音楽を聴いて育ち、何に対して怒りや喜びを感じているか。
  • プレイスタイル: 「テクニックより初期衝動を大事にする」「計算し尽くされた冷徹なカッティングを弾く」など。

頭の中で設定を細かく練り上げるほど、そのキャラクターが憑依しやすくなります。いつもの自分ならストップをかけてしまうような大胆なフレーズや痛快な歌詞も、設定を通すことで自然と浮かんでくるかもしれません。

ステップ2:ペルソナ目線で機材(楽器やエフェクター)を選んでみる

キャラクターが固まったら、次はその人物が「どんな機材を使うか」を想像してみましょう。

たとえば、普段あなたがFender Stratocaster(フェンダー・ストラトキャスター:チャキチャキとした歯切れの良い音が特徴の定番ギター)を愛用しているとします。

しかし、設定したペルソナが「重厚でダークなリフを好む男」なら、あえてGibson Les Paul(ギブソン・レスポール:太く甘い、パワフルな音が出るギター)に持ち替えてみるのも面白いアプローチです。

エフェクター(音を変化させる足元の機材)選びも同様です。

いつもはIbanez TS9(オーバードライブ:自然で温かみのある定番の歪み)で優等生な音作りをしているなら、ペルソナに任せてFuzz Face(ファズ:ジミ・ヘンドリックスなどが愛用した、荒々しく暴力的な歪み)を思い切り踏み込んでみてください。

「あいつなら絶対にこのツマミをフルテン(最大)にするはずだ」という別視点が入ることで、新しいサウンドの扉が開かれます。

ステップ3:練習や録音の前に「憑依スイッチ」を入れる

設定と機材が決まったら、ギターを弾く前やDAW(作曲ソフト)に向かう前に「今日は〇〇になりきって弾くぞ」と心の中で宣言するスイッチの時間を設けてみてください。

お気に入りのサングラスをかけたり、普段着ない派手なシャツを着たりするのも、スイッチを切り替えるのにとても有効な手段になり得ます。「間違えたら恥ずかしい」というプレッシャーは架空のキャラクターに預けて、自由な音の波に乗ってみてくださいね。

5. 【注意点】ペルソナを演じることの「光と影」

ここまでペルソナがもたらす素晴らしい効果をお伝えしてきましたが、実はこの強力な思考法には、知っておくべき「影の側面」も存在します。

キャラクターに没頭するあまり、現実の自分自身を見失ってしまうリスクがあるのです。

ボウイとジャニスが直面した「現実と物語の境界線」

デヴィッド・ボウイは、「ジギー・スターダスト」を完璧に演じ続けた結果、次第に「現実の自分」と「架空のジギー」の境目が曖昧になり、激しい精神的疲弊に襲われました。

彼は危機感を抱き、絶頂期に突如としてジギーを舞台上で「ころす(封印する)」という決断を下すことで、なんとか正気を保ったと言われています。

また、ジャニス・ジョプリンも同様でした。「豪快で破天荒なブルース女王」という世間が求める姿を演じ続けるうちに、楽屋に戻ったときの「繊細で孤独な素顔の自分」とのギャップに苦しむことになってしまったのです。

「お面」を脱ぐためのリセットボタンを用意しておく

ペルソナを安全かつ楽しんで活用するためには、「演奏が終わったら、絶対に素の自分に戻れるスイッチ」をあらかじめセットしておくことがとても大切になります。

  • 衣装やサングラスを脱ぐ: 物理的に身につけているものを外すことで、オンとオフを切り替える。
  • 普段使っているメイン機材に触れる: いつもの慣れ親しんだギターをぽろーんと鳴らして、「いつもの自分」の感覚を取り戻す。

キャラクターはあくまで、あなたの内側にある可能性を引き出すための「乗り物」に過ぎません。演奏や曲作りが終わったら「今日も良い仕事をしてくれたな」と感謝し、しっかりお面を脱いで自分の日常へと帰ってきましょう。

まとめ

「自分らしさ」にこだわりすぎて壁にぶつかってしまったときは、ぜひ今回ご紹介した巨匠たちの知恵を借りてみてください。

ほんの少しの間だけ自分という枠を飛び出し、架空のスターやSFキャラクター、あるいは覆面作業員になりきって楽器を奏でてみる。それだけで、これまで思いつきもしなかった刺激的なフレーズや、心を揺さぶる言葉がすらすらと溢れ出してくるかもしれません。

あなたは今、もし「もう一人の自分」を演じるとしたら、どんなキャラクターになりきって、どんな音を鳴らしてみたいですか?ぜひコメント欄であなたのアイデアや感想を教えてください。

この記事やコメントが、みなさんの音楽ライフをさらに楽しく、さらに充実につながると嬉しいです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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